長らくブログから遠のいていましたが、実は不妊治療を経て妊娠し、現在安定期に入っています。
不妊治療についてはまたどこかで文章にしたい(そして自分の気持ちも整理し成仏させたい)なと思っていますが、今回は産休中に念願の五島リトリートRay by 温故知新に滞在してきたお話です。
なぜ五島?
実は夫の家族は五島をルーツとしていて、わたしにとっても長らく行ってみたい場所でした。夫自身は福岡育ちの博多っ子ですが、夫の親族たちの話を聞いていると、福岡ともまた違った長崎系の訛りが聞き取れます。沖縄返還までは日本最西端の地だったという五島、日露戦争の開戦につながった「敵艦見ゆ」の一報を受けた地でもあり、最近ではNHK朝ドラ「舞いあがれ!」の舞台にもなりました。
できれば夫と行きたかったのだけど、スケジュールの都合が合わず、とにかく出産前に行きたいわたしはひとり旅を決行することに。
五島リトリートRayを選んだきっかけ
というわけで、マタ旅にも関わらず学生時代のバックパック旅行以来10年ぶり?の完全なひとり旅に。ひとり旅自体はドンと来いなんですが、離島で救急医療にお世話になるわけにはいかないので、ホテルはとにかく体を休めてのんびりできることと衛生面などで不安がないことを基準に選びました。
リトリートは箱根や瀬戸内のホテル含めて長らく気になっていたブランドだったこともあり、さらに22年8月に開業したばかりで知る人ぞ知るリゾートな雰囲気も良く、ここなら安心して滞在できそう&体も心も完全に緩めてリラックスできそうと思ったのがきっかけです。
そして最後に背中を押してくれたのはこのVOGUEの記事。こう書かれたら行くしかない!と思って決めました。
五島の島々と東シナ海を見渡す絶景
今回は1泊2日の弾丸スケジュール&現地でいい出会いに恵まれ昼間に色々と連れ出してもらったので、当初考えていたスパやホテル主催のアクティビティへの参加はスキップし、お部屋とお食事を堪能してきました。スパは五島の椿を使ったメニューが豊富ですごく気になっていたのだけど、何れにせよマタニティメニューしか受けられないこともありまたの機会に…。
このホテルの一番の特長といえば、やはり一面に海と五島の島々を見渡せる眺望です。エントランスを抜けた瞬間の絶景には誰しも目を奪われるはず。この景色がホテルのデザインの一部になっているような感覚に立ち止まって見入ってしまいました。
五島リトリートRayのシグネチャーといえばこのエントランスの写真だと思いますが、お部屋からの景色も最高で…。2人用の少し小さめなお部屋と悩んだけれど、産休まで頑張った自分への労わりも込めて今回は広めの露天スーペリアを選びました。ちなみにお部屋の広さに関係なく、全室オーシャンビューだそう。
この光景を見た瞬間、夫を置いて一人で来たことを後悔しました。ひとり旅も好きなんだけど、やっぱりこんな綺麗な景色は一緒に見たかった…。女子旅にも良さそう。
そしてお風呂もオーシャンビュー。風の音と鳥の声を聞きながら最高にのんびりできる空間で、ここでもまた夫婦で来たかったなあとしんみり。
翌朝はお天気も良く、目覚めた瞬間の景色に改めて感動。
一人で泊まるには本当に贅沢なホテルだったなと思いつつ、100%自分のペースで好きにゴロゴロしてお風呂に浸かり、絶景を前に美味しいコーヒーを飲む時間は出産前の大切な思い出になりました。
ファミリー用の大きなお部屋以外は全て子連れ不可のホテルなので、身軽なうちに(身重だけど)行ってしまった決断は正しかったはず。産んだ後はひとり時間が何よりの贅沢だと聞くので、このタイミングで大好きな旅をしながら社会人生活の大きな区切りを噛みしめることができて本当に良かったと思っています。
思えば5年で寿退社するつもりで商社に総合職入社した大型?新人が何とかかんとか約10年も働き、今となっては元気な子を産んでまた戻りたいと思えているのだから、我ながらよく頑張ったと思うし会社と同僚たちにも感謝ですね。しみじみ。
どこを取っても素敵なデザインですが、個人的には宿泊フロアの廊下がかなりツボでした。キリシタン関連遺産が多く残る五島らしい、厳かな教会を連想させるデザインです。
リトリートRayの内装設計とデザインは橋本夕紀夫さんの事務所が担われたそうで、ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパと同じと知り嬉しくなりました。ここもとても素敵なホテルだったのでいつかご紹介します。
五島の海の幸と山の幸を満喫
さて、国内旅行といえばグルメも欠かせない大事な要素。旅行中はローカルのお店を巡るのも好きだけど、今回は一人かつ身重なのでホテルのお食事を満喫することに。生産者に敬意を払い、地元の食材を生かすことがテーマになっていると知り楽しみにしていました。
離島ということもあり、海の幸にはもともと特に期待していたのですが、お肉やお野菜まで何もかも美味しいこと…!
お魚はスズキ、クエ(メニューでは平目となっていたけど、たまたまいいクエが入ったため変更になったそう)、甘鯛、お野菜はパプリカ、ブロッコリー、かぼちゃ、トマト、大根などなどたくさんの五島産の食材が使われていて、どれも本当に美味しく頂けました。
本来ならコースには生ものや貝類も入っていたのだと思うけど、妊娠中ということをお伝えしてご配慮頂き、海鮮類は火を通したお魚メインで出して下さいました。
そして驚いたのはお肉も五島産。五島牛といってあまり島外には出ない銘柄らしく、脂身と赤みのバランスが絶妙でペロリと完食。
九州で有名銘柄和牛といえば佐賀牛、宮崎牛、豊後牛あたりをよく目にするけれど、五島牛は初めて。なんて恵みの多い土地だろうと感動しました。
コースの〆はお待ちかね五島うどん。うどんにはうるさい高松出身のわたしですが、これまた美味しかった…!お隣徳島で有名な半田そうめん(太めのコシしっかりそうめん)に似ているかな?地元のお塩や椿油が使われているのが特徴だそう。甘夏とさっぱり頂きました。
この後出して頂いたデザートの羊羹も、五島でご夫婦が営む小さな和菓子屋さんから特別に卸してもらっているものとのこと。素朴な甘さが染み入る素敵なスイーツでした。
地元の方曰く、五島を訪れると「何もない」という人と「何でもある」という人に分かれるそうです。確かに美術館巡りもできないしエドシーランがツアーで来ることも絶対になさそうだから、わたしはどうしても後者にはなりきれないのだけど、一方で美しい海と山があり、地元で採れる安全で新鮮な食材にありつける環境は都会では得難い素晴らしさだなあと思います。
万人におすすめしたい五島リトリートRay
妊娠中に思い立っての五島ひとり旅でしたが、リトリートRayに泊まることができたおかげで百点満点の旅になりました。一人で絶景やグルメを満喫するも良し、友人同士やカップルで思い出を作るのも良し、是非訪れてみてほしいリゾートです。
今回は福岡→五島福江空港に入るルートでしたが、長崎からは福江島への船も出ているそうです。空港からホテルはタクシーで10分ほどなので、おこもりステイの予定であればレンタカーも不要かも。
*妊娠中のご旅行はかかりつけ医師とも相談してから慎重にお出かけ下さい。特に五島は離島なので、緊急時の対応など本州とは色々と勝手が違うはずです。
Sofia