秋の上高地でハイキング 渓谷美と星空と帝国ホテル

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秋 上高地

こんにちは。老後は長野か熊本に移住したい!!!と隙あらば夫に布教し続けているSofiaです。

上高地を始め、白馬、軽井沢と強すぎる面々が揃い踏みする長野県。どの観光地もそれぞれに大好きながら、やはり別格に素晴らしかった上高地旅行をご紹介。

目次

山とわたし

そもそもわたしが上高地に行ってみたい!と思ったきっかけは、日本一山が綺麗なところはどこだろう?と検索してみたこと。

瀬戸内の出身で、山か海かと問われたら後者かなあという柔らかめの海派として20 年以上生きていたのに、ロッキー山脈の麓に位置するコロラド州デンバーでの駐在を経て一変、タカ派の山派(?)に鞍替えすることに。冬はスキーやスノボ、夏はハイキングや乗馬と毎週のように山に繰り出すヘルシーで幸せな駐在生活を送らせてもらった場所。

そんなこんなで帰国後も日本で美しい山を眺めながらハイキングができる場所をずっと探しており、見つけたのが上高地。日本のアスペン、山岳リゾートのメッカと聞きつけ、これはもうわたしのためにあるような場所じゃないかと。

それ以来、いつか必ず行かねばと思っていたところ、夫の福岡転勤が決まり、東京を離れることに。東京ライフ最後の旅先として申し分ないと思い、何より先にスケジュールをおさえて上高地旅行を実現させた。

秋の上高地で念願のハイキング

上高地どうだった?と聞かれ、自分の語彙の貧弱さを嘆きつつ導き出した答えが「日本最後の桃源郷」。少なくとも海より山派という人にはそこそこ同意してもらえると思う。

東京都心部から中継地の沢渡ターミナルまで約4時間のドライブ、そこから1時間弱バスに揺られてようやくたどり着ける秘境の地(?)。通年マイカー規制が敷かれているので、最後のバス(もしくは許可を受けているタクシー)での入山はマスト。自家用車での入山はできず、沢渡ターミナルの駐車場に置いていくことになる

途中休憩やらバスの待ち時間やら含め、都内を早朝に出発しても現地に着けたのはなんだかんだ午後3時過ぎだったかな。

何を隠そう我が夫はなかなか厄介な雨男で、瀬戸内出身自他共に認める晴れ女のわたしでも敵わないことが多い。夫婦旅行はたいてい雨か曇天なので(改めて文字にするとなんと悲しいことか)、今回も期待しすぎないように自分の気持ちを抑えつつカレンダーのカウントダウンをしていたものの・・例によって上高地でも安定の曇り空。曇っていても上高地の美しさには1ミリのケチもつかなかったけど、快晴だとなお綺麗だっただろうからやっぱり女子旅にしておけばよかったと思わなくもない。

上高地 河童橋

それでもこの景色には圧倒されたし、東京からはるばる運転して(夫が、ね)行った甲斐があった。とても気軽には行けない場所だけれど、この美しい光景はもろもろの制限に加えて関係者のたゆまぬ環境保全努力の賜物と思うと頭の下がる思いがする。

念願のハイキングでは、いわゆるモデルコースを河童橋起点に2回に分けてゆっくりと堪能。山林の中を歩いたり、穂高連峰と梓川の光景に何度も感動したり、山の主かと思う猿と遭遇したり、湿原の景色にヨセミテを思い出したり。

やはりそこらへんの山とは違うというか、手付かずに近い状態で自然が保存されていて、とにかく圧倒されるような山々の景色には昔の人たちが自然を恐れ、信仰の対象とさえした気持ちがわかる気がした。でもそこかしこから人々がこの自然を大切に守って来た証のようなものも伝わってきて、なんだかそういうところも含めていい場所だなあと心から思った。

景色の美しさに涙が出るという経験を人生で二度だけしたことがあり、一度目はコロラド州の秘境Crested Butte、二度目が上高地のこの景色。あの感情を何と言えばいいのかわからないけど、人はあまりに美しいものに触れると涙が出るんですね。

上高地 梓川

ちなみにこの旅で見た梓川の美しさが忘れられず、娘の命名の最終候補に「あずさ」が残った。近しい友人のお嬢さんと被ってしまうので避けたけれど、いい名前だなと思う。

こうも美しい景色を毎日眺められたらどんなに幸せかと思いつつ、いやこんなに厳しい自然の中でたくましく生きる力はない(極度の寒がり)と自分に言い聞かせ、最後は泣く泣く帰路に着いた。上高地も最近はオーバーツーリズム状態のようだけれど、これまでこの地がこんなにも美しく保たれてきた理由に想いを馳せつつ楽しみたいものだと思う。

田代橋から眺めた満天の星空

滞在中、昼間はずっとあいにくの曇り空だったので青い空を眺めることは叶わなかったけれど、夜は雲の晴れ間ができて満天の星空を眺めることができたのが嬉しい誤算。今まで日本で見た中で一番綺麗な空だった。

わたしの祖父は天体観測が趣味で、昔ながらの田舎の家にデンと鎮座する天体望遠鏡が彼の宝物だった。日本から出たこともなく、楽しみはたまに来る孫たちを花札でボコボコに負かすこと(しかもめちゃくちゃ姑息なやり方で孫の手札を盗み見までする)という田舎のおじい。なのに、唯一宇宙に関することだけはたくさん本を読んでいて色々と話を聞かせてくれたことが今でも心に残っている。宇宙旅行に行きたいから貯金もするし長生きする、孫に残す資産はない!が口癖だった可愛いじいちゃん。

そんな祖父の影響もあって空を眺めることが昔から大好きで、山に行くときは星空も楽しみの一つ。上高地は標高1,500メートル、大きな建物もなく車も規制されている場所なので、星空を眺めるのにこれ以上の好条件はない。出発1週間くらい前から夜こそ晴れますように(昼は早々に諦めた)と天気予報を睨みながらのカウントダウンをしたのも楽しかった。小学校の遠足以来のワクワク感だったなあ。

上高地エリアであれば大正池が屈指の観測スポットらしいけれど、ホテル入り口にたくさん置いてあるクマ避けの鈴を見てビビってしまい、宿泊先である帝国ホテルのほぼ真裏にある田代橋から空を眺めたのもまたご愛嬌。ここも十分空が開けていて、ホテルからも近いのでとても良かった。手で掬えるかもと思うくらいの星が見えたし、流れ星ってひと晩でこんなに見られるんだな?!と驚いた。

ちなみに、これまでの人生で見た中で一番美しかったのはArches National Parkで眺めた星空。ここも標高1,500メートル前後、澄んだ空気、周囲に何もないだだっ広い空間という完璧な環境に加えて雲ひとつない晴天が幸いし、溢れるような星ばかりの空を満喫したのがいい思い出。地上に邪魔なものがなく、星空の中に自分が漂っているような不思議な感覚だった。昼間の風景含め、Yellowstoneと並んで大好きな場所。

上高地帝国ホテルでのんびりゆったり

山の景色に加え、上高地に惹かれたもう一つの理由、帝国ホテル。コロラド駐在を経ていわゆる「山岳リゾート」にハマって以来、上高地帝国はいつか泊まってみたいホテルリスト日本版第1位に燦然と輝いていた。

この青い空と山に映える赤い屋根、まさに理想通りの山のホテル。この美しさを言語化できない自分の力量がもどかしいこと・・

お部屋もシンプルながらレトロな雰囲気が上高地に来た感覚を高めてくれてよし。コスメはMIKIMOTOのシリーズ。このシャンプーとコンディショナー、ものすごく髪に合うのでとても好き。

あとはやっぱり山奥で堪能できる帝国クオリティのスイーツ。夫はこのプリンが大変気に入り、滞在中に2回オーダーしていた・・

上高地帝国ホテル

運転とハイキングで疲れ果て、夜は軽く済ませてしまったのが心残りだけれど、たっぷり寝た後に頂いた朝食はこれまた言うことなし。特にクラシックなお部屋でのんびり頂いたコーヒーの味が忘れられません。卵料理はSunny side up派。

上高地帝国ホテル 朝食

秋の上高地ハイキング旅 まとめ

初めての上高地は超弾丸一泊二日ながら、ハイキングも星空も帝国ホテルステイも楽しめる大満足な旅になった。次に訪れるときは最低でも1週間は滞在して、天気ごとに変わる光景や他の山ラバーさんたちとの会話も楽しんでみたい。キャンプサイトもあったので、ホテル半分キャンプ半分というのも楽しいかもしれない。

色々と旅行や出張で国内外に出かけてきた中でも、また必ず行きたい、次はあの人とこういう目的で行きたい、と具体的なイメージつきでバケットリストに入っている場所というのは非常に少ない気がする。

例を挙げると、留学していたアトランタと駐在していたデンバーにはいつか家族と一緒に思い出巡りをしたい。昔親友と行ったパリには子育てが落ち着いた頃に彼女とお互いのパートナーも連れて大人の贅沢旅をしたい。バックパッカー旅行で一番心に残った美しいオフリドにはいつか娘を連れて行きたい。

そして上高地には、娘の手が離れたらまた夫と2人で訪れたい。ゆっくり山を歩いたりコーヒーを飲んだりしながら、それまでの結婚生活や子育ての思い出をたくさん話す旅がしたいなあと思っている。

Sofia

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