こんにちは。妊娠生活も終盤に差し掛かり、必死にネントレ本にかじりついているSofiaです。
不妊治療で第一子を授かりました
Twitterでフォローしてくださっている方はご存知の通り、我が家は不妊治療の末、体外受精で第一子を授かりました。
体外受精までして望んだ妊娠ではあるが、つわりがつらすぎて毎日泣いてる。
— Sofia♡美容マニア (@sixthandholly) December 11, 2022
本当に女の人生ハードなことよ
治療というか検査を始めてちょうど1年ほどで妊娠に至ったので、何年も治療と向き合い毎月の結果に涙を飲んでいる方も多くいることを考えると、恐らく我が家は順調な方であったのだと思います。
それでも不妊治療にかけた1年は今まで生きてきた中で一番つらかったです。日々の通院と、同じく治療に励む方のTwitterをひたすら眺めては共感したり焦ったり地団駄を踏んだりした以外の記憶がほとんどないのが正直なところ。他人を羨ましいとか妬ましいと思う気持ちが基本的に欠落している人間なのに、この1年だけは全く違う人格に乗っ取られていたような。自分より後に結婚した後輩が飲み会でお酒を頼んでいなかったと言って落ち込んでみたり、当時を思い返すとどうかしていたし、実際少し狂っていたと思う。
不妊治療では本人の努力や想いの強さと得られる結果にほとんど相関性がなく、本当に人それぞれなので一律でできるアドバイスも存在しないけれど、1年少し前の自分(↓)に何か参考になることがあればという気持ちでこの記事を書いています。
- 子どもが積極的に欲しいわけではないが、いつかは…という気持ちはある
- ブライダルチェック等を受けたことがなく、自分の体のことはよくわからない
- 不妊治療中で、ステップアップに悩んでいる
- 不妊治療とキャリアの両立に不安がある
生理とのおつきあい〜就職前
そもそも、わたしも含め、不妊治療を受けた方はまさか自分に治療が必要になるとは思っていなかったというのが本音だと思う。
生理痛がことさらに重いという自覚もなかったし(ただし、これは実母に言わせれば誤った判断であり、はたから見ているとかなり生理が重いほうだと中学生の頃から心配されていた模様)、何ヶ月も生理が来ないとか月に2回も来るというような極端な生理不順も今までに一度もありませんでした。
綺麗に28日周期ではなかったと思うけど、一般的に言われる25-40日周期の範囲内であり、結果アプリで周期の管理さえもやったことがないまま30歳になりました。
少なくとも大学を卒業し就職するまで、自分に婦人科系の問題があるかもとは露ほどにも疑ったことがなく、体を冷やした自覚のあった周期は少し下腹部の痛みが重くなりがち、くらいの認識でいました。
生理とのおつきあい〜就職後、結婚まで
それまで全く意識したこともなかった生理との付き合い方を少し考えるようになったのは、恥ずかしながら就職してから。新卒で就職した商社で最初に配属された部署は今思うとなかなかに過酷な職場環境…。
- 南米のプロジェクト管理業務であり、日々の時差対応が必須
- 出張先も南米がメイン、一度行くと2週間〜1ヶ月は現地張り付き
- 自分を除くチーム全員40歳オーバー男性
もちろん激務の覚悟をして商社を志望したし、無事入社できたことを嬉しく誇りに思っていたので、今思えば昭和スタイルな働き方に食らいつくことにも当時は全く違和感はなく、多少の体調不良には目を瞑るのが当然と思い込んでいました。上司は決してわたしに強要はしなかったけど、彼らも当然のように無理を押して働いているので、下っ端のわたしが簡単に休みたいとも言えず。
特に1〜2年目は部署も過酷で残業か出張ばかり、まだ東京に友人も少なく、そんな中で彼氏と別れて情緒不安定になり、生まれて初めてごはんが食べられなくなりBMIが15台まで落ちたことも。
周期が大きくずれた記憶はないけれど、夜中にとんでもない生理痛(今思うとあれは普通の生理痛ではなかった気もする)に冷や汗をかいて飛び起きたり、鎮痛剤を何度も服用してごまかしながら働いたり、さすがに良くないよなあ…とうっすら思いながら、でも病院にかかることもせず、という生活がアメリカ駐在中も含めて6-7年続きました。
当時は結婚を真剣に考える相手もいなかったので、「将来妊娠できなくなるかも」という具体的な不安に繋がらず、生理が止まるようなことになれば病院に行くか、くらいの気持ちでしかなかったんです。「自分たちは寿命を切り売りして稼いでる」と笑い話にしながら同期女子たちと飲んでいたのは今となってはあまりに呑気すぎました。
結婚、子どもを持つということ
夫とは2019年の夏に出会い、コロナのパニック真っ最中だった2020年夏に結婚しました。
2020年の春には双方の勤め先が完全在宅勤務となり、都内の極小1LDKで大の大人2人(しかも一人は身長185cmの大男)が身を寄せ合って朝から晩まで一緒に過ごす羽目に。いくら結婚を視野に同棲していたとはいえ、それまではお互い平日は残業もあればそれぞれの友人と飲みがあり、接待も出張もあり、という生活だったので、24/7で一緒にいる想定はしておらず、正直げんなりしたこともあったりなかったり。夫も当時同じような気持ちだったと思います。
それでも毎日一緒にいていろんな話をし、仕事中の顔も盗み見ることができ、まあこの人となら一生楽しくやっていけそうだなと思えたのはコロナ禍でのステイホームの良かったところ。
そんなこんなで無事人妻になったんですが、夫は結婚したら次のステップは子供を持つことと当たり前に考えているタイプ。もちろん、結婚したからには俺の子を産め!とか言うわけではないんだけど、それが自然な流れだと無邪気に信じていたというか。
一方、わたしにとって、子どもを産む=生まれる前のトツキトオカと産んでから成人までの20年間(いや今の基準だと18年でいいの…?)、自分に加えてもう一人の人間の生死と言動に対して責任を負うこと。なので気軽に子どもが欲しいなんて思ったこともなく、正直に言えば周りの友人たちの子どもがほしいトークにも一切共感できたことがないタイプでした。
実の両親とも親密な方ではなく、自分自身かなり育てにくい子どもだった自覚があるので、万万が一我が子を可愛いと思えなかったらどうしたらいいんだろうという問いに答えも持てず。「産んでみたら気持ちも変わるよ」と言われても、誰もそれを保証してくれないし責任も取ってくれない。
虐待や子殺しのニュースを見るにつけ、ひどい話だと思う一方で自分がその加害者にならないと100%言い切るのはとても無理だと感じていたのが正直なところだったのです。そしてその不安は妊娠後期に入った今でも変わっていません。
わたしは出産にも子育てにも前向きじゃないよということは結婚前から伝えており、夫はもちろんわたしの気持ちが今後前向きになることがあればその時に、というスタンスでいてくれました。それでも、夫が子どもを持ちたがっているという事実はわたしにとって非常に重要で、人生を預けた相手が心から望むことならある程度は自分の主義主張は妥協したいという気持ちもありました。
不安が消えたわけではないけれど、最終的に夫とのこどもを産むために進んでみようと心が決まったのは、夫と2人でならどうにか親をやれるだろうと思えたのがいちばんの理由です。運悪く世の親たちのような理屈を超えた愛情を我が子に対して感じられなかったとしても、産んだ者の責任だけは果たすべく努力できると思えた、ということです。
夫との気持ちのすり合わせと福岡転勤
結論から言うと、我が家では100%腹を割って「不妊治療をする、しない」の議論をすることはありませんでした。もちろんその議論を2人でしっかりとやれたらベストだったとは思うけど、お互い子どもは授かりものだと思っていたし、結婚当時30歳でまだ心配するような年齢ではないと思い込んでいたというのが大きくて。
ではなぜ不妊治療、しかも体外受精という「子どもが欲しい」という強い気持ちなくして向き合えないしんどいところまで突き進んだかというと、きっかけは夫の福岡転勤でした。
至極当たり前ながら、夫婦が離れて暮らしていたら自然に子供を授かることはできません。一方わたしも仕事があり福岡にすぐ移住することは難しく、月に1〜2回はお互い東京と福岡を行き来して会うことにしていたけど、これでは妊娠はしばらく現実的じゃないなと思うようになりました。
わたしが福岡で転職するとか、夫が勤め先を辞めて東京で転職するとかの選択肢もあったけど、転職してすぐに子どもを授かれた場合育休が取得できないこと、東京暮らしはもう堪能したなという思いが夫婦ともにあったことで、「医療の力を活用してなる早での妊娠を目指し、産休に入ると同時に福岡への完全移住を目指す」が夫婦の目標になりました。
ここでいきなり医療の力?!と唐突感もありそうですが、夫の転勤が分かった時点で結婚して1年半、結婚式(コロナでphotoshootingだけになってしまったけれど)を終え、わたしの覚悟が決まって避妊をやめてから半年経っていたので、早い人ならもう妊娠してる場合もあるよなあと。
夫は健康優良児がそのまま30歳になったような人間だけど今まで検査を受けたこともないし、わたしに至っては先に書いたように自分の体を一切顧みずに過ごしてきた自覚があったので、何か問題がある可能性も否定できないねと夫婦で判断しました。
ここまでの段階で夫婦でやっていたいわゆる妊活はこんな感じ。自分の生理周期さえ知らなかったわたしからしたら大きな進歩なのだけど、今思い返すとのんびりやってんな〜という感じですね。葉酸サプリだけは妊娠前からの摂取が大事と聞いて、避妊をやめたのと同時期に飲み始めました。
- タイミングは気にせずに夫婦生活
- 生理周期はアプリで管理
- 葉酸サプリを飲む
ちなみに、育休後のわたしのキャリアについては、一旦考えることを放棄しています。そこまでのキャリア志向でもないし、夢だった商社で約10年勤めて海外勤務も経験できたので会社への未練もないし(そりゃこの高待遇を手放すのは惜しいけど)。そもそも転勤族の配偶者のキャリア構築って本当に難しくて、これについては夫とも今後よくよく議論しなければ…と思っています。
不妊検査=自分の立ち位置を知る
「医療の力を活用する」ことに夫婦でコンセンサスが取れたので、まず何よりもやりたかった「自分の立ち位置を知る」に取り掛かることに。
自分の立ち位置=体の状態がわからないと次の一手も打てなければゴールまでの道も描けないので、何をやるにもこれはまず大事。当時まだわたしの住民票は東京都にあったので、都内の婦人科で検査を受けてみることにしました。
ここで知ったのが、東京都の不妊に対するケアのシャープさ。
- 「妊娠支援ポータルサイト」なるものがあり、よくまとまっている
- 「不妊検査等助成事業」があり検査費用が5万円まで補填される
ポータルサイトは最近できたのかな?わたしがあれこれ調べていた時はまだ無かったような。福祉局のサイト内にあり、妊娠スタートクイズなどの軽めなコンテンツから「子どもができにくいかも?と思ったら」「不育症をご存知ですか」など、しっかり参考になる情報もまとまっていて、めちゃくちゃいいです。このサイトはもちろん都民じゃなくても閲覧できるので、妊活を始めようかなあという夫婦は1度目を通してみるといいと思います。
そして我々夫婦がしっかり活用させてもらったのが、2つめの不妊検査等助成事業。一言で不妊検査と言っても検査項目はいくつもあり(ぜひ都のポータルサイトも見てみてください)、都内では費用もバカにならないので、この制度は本当に助かりました。
不妊検査項目と費用
不妊検査にも色々と項目があるのですが、わたしはまず婦人科のアポを取り、そこで「都の不妊検査費用女性を使って一通り検査を受けたい」と相談しました。
結果として、経膣エコー検査、血液検査(AMH含む)、子宮卵管造影検査を一通り2−3ヶ月かけて行いました。生理周期の中でこのタイミング(生理直後だとか、生理周期真ん中とか)でしか検査できない項目というのがあって、一度病院に行けば全部済むわけではないというのも知らなくてびっくりしたな…。その間に夫は福岡で精液検査を受けています(都の助成を受けるには夫婦ともに検査を受けるのがマスト)。
あとはフーナー検査というのもよく挙がるのだけど、精度がそこまで高くないと聞いたので上記を一通りやった時点で助成金の申請を出しました。申請してから振込みまで多少時間はかかったけど、ちゃんと5万円振り込まれて安心。ありがとう東京都!
ここまでの検査でトータル約6万円の出費になり、うち5万円が都の助成でカバーされたので実質負担は夫婦で1万円くらい。この程度であれば妊活を考え始めた時点でまず受けておけばよかったなと思います。お金よりも時間の負担の方が大変だったので(1度の通院で終わらない上に待ち時間もそこそこ長い)、結婚した時点で夫婦ともにいつかは子どもを授かりたいと思っているのであれば、仕事の落ち着いているタイミングなどを見計らって病院に行ってみるのがおすすめです。
いつかは子どもをと思うなら
まだ実感がわかなくても、人生でいつかは子どもを持ちたい、持つかもしれないと思うのであれば、まずは検査だけでも早めに受けた方がいいというのがわたしの今の持論です。
検査だけなら費用負担は軽め、早めのスタートを
子どもを持とうが持つまいが、いくつの時に産もうが、それは個人の選択として尊重されるべきですが、いつかは子どもが欲しいという気持ちがあるのであれば、自分の現在地=体の状態だけでも早めにはっきりさせておくべきだと思います。
検査の結果次第で自分の中の優先順位も自ずと見えてくるでしょうし、それまでの考えを多少修正せざるを得なくなることもあるからです。自分の状態がわからないと、いつかは…と思いながら本当に欲しいタイミングでは色々遅すぎた、ということもあり得ます。
既に国として不妊治療の保険適用が開始されるなど、子どもが欲しいのに授かれない人への支援に少しずつ目が向けられるようになっています。この前段階である不妊検査に対しても、東京都だけでなく各地の自治体で助成制度があると思うので、まずはお住いの自治体に問い合わせてみてください。
また、検査も一部は保険適用になっている+自由診療部分はおそらく東京都内の病院が一番お金かかるはずなので、万が一助成制度がない地域であっても目を剥くような金額が請求されることにはならない、はず。
検査の段階から既に女性負担が大きいことを心得よ
不妊治療では主に女性側の身体的、心理的負担が男性側に比べて圧倒的に大きいことは多少知られてきたと思うけれど、実は検査の段階から男性に比べて女性の負担の方が大きいです。
生理周期に合わせて検査できる項目が決まっているので、どれだけ効率よくできても1〜2ヶ月、タイミングを外してしまうこともあると考えると3ヶ月程度にわたって数度の通院が必要になります。
そしてわたしの経験上、大手の婦人科というのはいつ行っても異様に混んでいるので、待たされます。さらに検査自体も経膣エコーあり、卵管造影検査あり、不快だし痛いです。
夫婦でよくコミュニケーションを
当たり前体操すぎるけど、子どもはひとりでは作れません。子どもを望むのか望まないのか、時期はいつなのか、そのために自分たちの健康面とキャリアなどの外部要因をどう整理するか、直視しにくい話題ではあるけどしっかり夫婦で話し合うことが必要です。
そして子どもを望むという結論にふたりで至ったのであれば、それ以降は「夫/妻が望んだから」ではなく、ふたりで決めたこととして、お互いが当事者意識を持って妊活や不妊治療に向き合えるといいなと思います。我が家はここが難しくて1年間散々喧嘩しました。離婚が頭をよぎったのも数回では済まないくらい。
これはまた別途記事にしたいと思います。
Sofia